保険診療と自由診療、診療報酬の源泉徴収、社会保険診療報酬の所得計算の特例。医業・歯科医業の申告には、ほかの業種にはない決まりがあります。国税で30年、調査する側にいた税理士が、申告の内容をひとつずつ確認します。
初回 40分の相談は無料。開業前の方、医療法人化を考えている方のご相談もお受けしています。
税額は、申告の内容と事実関係によって決まります。私たちにできるのは、医業の決まりに沿って申告の内容を確かめ、整えることです。
医業の申告は、医業の決まりを知っている人と確かめることが大切です。
直近の確定申告書・決算書と、診療報酬の入金の記録をうかがい、源泉徴収税額の扱い、特例の適用、消費税の判定、ご家族への給与の届出などを確認するところから始めます。そのうえで、毎月の記帳と決算・申告を、税務顧問としてお手伝いします。税務顧問の内容は、税務顧問のページでもご案内しています。
源泉徴収された税額は、確定申告で納める税額から差し引いて精算します。差し引きが漏れると、そのぶん税金を多く納めることになります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 源泉徴収の対象 | 支払基金(現・DX審査支払機構)が支払う診療報酬所得税法第204条第1項第3号の診療報酬。国税庁「令和8年版 源泉徴収のあらまし」では「社会保険診療報酬支払基金法の規定により社会保険診療報酬支払基金が支払う診療報酬」と記載されています。 |
| 源泉徴収税額 | (診療報酬の額-その月分として支払われる金額につき20万円)×10.21%所得税法第205条・所得税法施行令第322条。 |
| 対象とならないもの(例) | 健康保険組合・国民健康保険組合等が直接支払う診療報酬福祉事務所が支払う生活保護法の規定による診療報酬も、源泉徴収の対象となる診療報酬に該当しないものとして挙げられています。 |
| 確定申告での扱い | 納める税額から差し引いて精算青色申告決算書の付表《医師及び歯科医師用》では、診療報酬の振込額は、所得税及び復興特別所得税の源泉徴収税額を差し引く前の金額で記載します。 |
※ 要約です。詳細は国税庁の資料でご確認ください。
出典:医療情報基盤・診療報酬審査支払機構「令和8年10月より支払基金はDX審査支払機構となりました」(最終更新日2026年10月1日)/国税庁 タックスアンサーNo.2792「源泉徴収が必要な報酬・料金等とは」(令和8年4月1日現在法令等)/国税庁「令和8年版 源泉徴収のあらまし」/国税庁「令和7年分 青色申告決算書(一般用)付表《医師及び歯科医師用》の記載要領」
実際に、開業医のお客様の過去の申告で、この源泉徴収税額が確定申告に適切に反映されていなかったことが分かり、更正の請求で還付を受けられた事例があります。実績:見落とされていた源泉徴収税額を回収した事例
開業医の方は、診療と医院の経営を両立させながら、税務にまで目を配らなければなりません。私は国税組織で30年、調査する側にいました。診療報酬の源泉徴収や社会保険診療報酬の特例のように、医業ならではの決まりは、気づいているかどうかで申告の内容が変わることがあります。当事務所では、新しくご依頼いただいたお客様の過去の申告も確認しています。先生方が診療に専念できるよう、医院の税務は、私にお任せください。

代表税理士 / 元国税調査官
平野 和博税理士登録番号 144578
国税組織で30年にわたり、税務調査の第一線で経験を積んでまいりました。国税局では資料調査課(リョウチョウ)の実査官・主査を、税務署では特別調査班(トクチョウ)の統括官を経験。累計500件を超える調査に携わってきました。
当事務所では、歯科医院・クリニックの開業医の方の税務顧問・決算申告をお受けしています。歯科医院向けには、特別プラン「メディカルプラン(歯科医)」をご用意しています。
初回40分の相談は無料です。ご来所のほか、オンライン・お電話にも対応しています。直近の確定申告書か決算書の控えがあれば、お手元にご用意ください。
個人で医業・歯科医業を営む方の所得税の特例です。社会保険診療に係る必要経費は、実際の経費によらず、社会保険診療報酬の額に応じて下の速算表で計算した金額とすることができます。実際の経費のほうが多い場合もあるため、両方で計算して確認します。
| 社会保険診療報酬 | 概算経費の額 |
|---|---|
| 2,500万円以下 | 社会保険診療報酬×72% |
| 2,500万円超 3,000万円以下 | 社会保険診療報酬×70%+50万円 |
| 3,000万円超 4,000万円以下 | 社会保険診療報酬×62%+290万円 |
| 4,000万円超 5,000万円以下 | 社会保険診療報酬×57%+490万円 |
※ 社会保険診療報酬が5,000万円を超える場合、または医業及び歯科医業から生ずる収入金額が7,000万円を超える場合は、この特例は適用できません。適用するときは、申告書第二表の「特例適用条文等」欄に「措法26」と記載します。自由診療と社会保険診療のどちらに係るか明らかでない経費は、診療実日数または収入金額で自由診療の割合を出して区分します(収入金額による場合は調整率をかけます。歯科は75%)。医薬品の仕入れリベートや治療器具等の販売収入などの雑収入は、「医業及び歯科医業から生ずる収入金額」には含まれません。この特例を適用した場合、青色申告特別控除額の計算の基礎となる事業所得の金額には、社会保険診療に対応する金額は含まれません。
出典:国税庁「令和7年分 青色申告決算書(一般用)付表《医師及び歯科医師用》の記載要領」・「収支内訳書(一般用)付表《医師及び歯科医師用》」の速算表
調査する側にいた経験から、医業・歯科医業の申告で確かめておきたいところをまとめました。いずれも、申告の前に確認できるものです。
支払基金(現・DX審査支払機構)が支払う診療報酬は、源泉徴収の対象です。月ごとの支払明細と、申告で差し引いた源泉徴収税額が合っているかを確かめます。実績を読む出典:国税庁「令和8年版 源泉徴収のあらまし」・タックスアンサーNo.2792
社会保険診療報酬の額に応じた概算経費と、実際の経費とを比べます。社会保険診療報酬5,000万円超、または医業及び歯科医業から生ずる収入金額7,000万円超の年は適用できません。出典:国税庁「令和7年分 青色申告決算書(一般用)付表《医師及び歯科医師用》の記載要領」
社会保険診療報酬のうち患者から窓口で収入すべき金額は、全部または一部が未収の場合や、受け取らないこととした場合でも、「収入すべき金額」として収入金額に含めます。出典:国税庁「令和7年分 青色申告決算書(一般用)付表《医師及び歯科医師用》の記載要領」
医薬品の仕入れリベート、患者からの謝礼金等、自動販売機等の手数料、治療器具等の販売収入、地方自治体から支給される休日夜間診療等の嘱託料などは、事業所得の雑収入になります。出典:国税庁「令和7年分 青色申告決算書(一般用)付表《医師及び歯科医師用》の記載要領」
青色事業専従者給与は、届出書を提出し、届け出た方法・金額の範囲内で、労務の対価として相当な金額を支払うことが要件です。給与を増やすときは変更届出書も必要です。出典:国税庁 タックスアンサーNo.2075
保険診療や労災・自賠責の対象となる医療などは非課税ですが、これらの療養等に当たらない自由診療(美容目的の施術など)や、療養に当たらない物品の販売は非課税の範囲に入りません。課税の売上を分けて集計し、納税義務の判定(基準期間の課税売上高1,000万円など)を確認します。出典:国税庁 タックスアンサーNo.6201・No.6501/消費税法基本通達6-6-1、6-6-2
医療関係で消費税が非課税になるのは、法令で定められた範囲の療養などです。
| 区分 | 消費税 |
|---|---|
| 健康保険法・国民健康保険法などにもとづく療養(保険診療) | 非課税患者が負担する一部負担金に係る療養も含まれます。労災保険・自賠責保険の対象となる医療や、公費負担医療なども非課税の範囲に含まれます。 |
| 上の療養等に当たらない自由診療(美容目的の施術など) | 非課税の範囲に入りません国税庁のタックスアンサーでは、美容整形や差額ベッドの料金なども非課税取引に当たらないとされています。 |
| 療養に当たらない医薬品・医療用具などの販売 | 課税資産の譲渡等保険診療の療養などとして行う医薬品・医療用具の給付は非課税です。なお、身体障害者用物品の譲渡等に当たるものは、療養に当たらない販売であっても課税資産の譲渡等から除かれます。 |
| 保険外併用療養費の支給に係る療養のうち、定められた金額を超える部分 | 非課税とされる療養の対価に当たりません平成元年大蔵省告示第7号で定められた金額を超える部分です。 |
※ 消費税の納税義務は、基準期間(個人事業者はその年の前々年)の課税売上高が1,000万円以下であれば原則として免除されますが、インボイス(適格請求書発行事業者)の登録を受けている場合などは免除されません。
出典:国税庁 タックスアンサーNo.6201「非課税となる取引」・No.6501「納税義務の免除」(いずれも令和8年4月1日現在法令等)/消費税法基本通達6-6-1、6-6-2、6-6-3
医療法人の設立には認可の申請が必要です。設立後も、定款の変更や決算の届出などの手続きが続きます。熊本市と熊本県が、それぞれ手続きの案内を出しています。
| 案内している機関 | 案内の内容 |
|---|---|
| 熊本市 医療法人の申請書様式一覧 | 熊本市保健所医療対策課に事前に相談医療法人を新しく設立するとき、合併や解散をするとき、定款を変更するときなどの認可申請や届出の様式が掲載され、提出や添付書類等の内容は事前に熊本市保健所医療対策課に相談するよう案内されています。決算届の様式も掲載されています。 |
| 熊本県 医療法人の各種手続一覧 | 設立後の各種手続き(定款変更・決算の届出など)様式のうち、県知事あてと保健所長あての二つがあるものについては、二つ以上の医療圏にまたがって医療施設を開設する医療法人の場合は県知事あての様式で県医療政策課に、その他の場合は保健所長あての様式で法人本部が所在する市町村を所管する保健所に提出するとされています。 |
※ 手続きの詳細は、各窓口でご確認ください。当事務所がお手伝いするのは、法人化する場合としない場合の税額の試算など、税務の面からの検討です。
出典:熊本市「医療法人の申請書様式一覧」(最終更新日2026年8月20日)/熊本県「医療法人の各種手続一覧」(2024年4月1日更新)
個人のまま続けるか、法人にするかは、所得の水準だけでなく、ご家族の関わり方や将来の承継の考え方によっても変わります。数字で比べたうえで、ご自身で判断していただけるよう材料をそろえます。
開業前のご相談から、開業後の税務顧問・記帳代行まで、続けてお手伝いします。
歯科医院向けの「メディカルプラン(歯科医)」で、月次の顧問から決算申告までお受けします。
課税の売上と非課税の売上を分けて集計し、消費税の判定の時期を前もって確認します。
個人で続けた場合と法人にした場合の税額を試算し、比べる材料をそろえます。
過去の申告内容も確認し、見落としがないかを確かめます。
期限の延長や、事業用の資産の損失の扱いなど、必要な手続きを整理します。
※ 熊本市内全域はもちろん、熊本県内・周辺市町村まで対応しています。遠方の方には、オンライン相談にも対応しています。
医院の税務に関わる事例と記事です。
医業の決まりに、調査する側にいた経験を重ねます。
新しくご依頼いただいたお客様について、過去の申告内容も確認し、税務上の見落としがないかを検証します。
措置法26条の概算経費と実際の経費を両方で計算し、確認します。
収入の計上、雑収入、ご家族への給与など、説明を求められやすいところを申告の前に確かめます。
税務調査の連絡が来たときは、税理士が立ち会って対応します(立会料などは報酬規程によります)。
診療の合間でも相談しやすいよう、Zoom等での面談に対応しています。
法令に基づく場合を除き、ご相談の内容を、ご本人の了解なく外部にお伝えすることはありません。
医院の状況と、いまの申告・経理の進め方をうかがいます。オンライン・お電話でも可能です。
ご依頼の範囲をご相談のうえ、費用をご提示します(お見積もりは無料です)。ご納得いただいてからのご契約です。
直近の申告書・決算書と、診療報酬の入金の記録を確認します。
記帳と月次の数字の確認、ご質問への対応を行います。
特例の適用と消費税の判定を確かめたうえで、決算・申告を行います。
歯科医院向けの特別プラン「メディカルプラン(歯科医)」の料金です(税別)。初回相談・お見積もりは無料です。
| メディカルプラン(歯科医) | 料金(税別) |
|---|---|
| 月次顧問料 | 25,000円/月 |
| 決算申告 | 100,000円 |
| 年末調整 | 15,000円 |
| 償却資産申告 | 15,000円 |
※ 年3回までの面談可(Zoom等にて)/ご質問はメール対応(電話不可)。通常の料金表にはない特別プランで、条件が合えばご利用いただけます。医科のクリニックなど、ほかのプランの料金は料金プランをご覧ください。初回40分のご相談は無料です。
※ 令和8年10月時点で公表されている資料にもとづいています。制度は改正されることがあり、税額は申告の内容と事実関係によって異なります。開業の手続きについては開業・独立支援、毎月の記帳については記帳代行、継続的なご相談は税務顧問のページもご覧ください。
書類がそろっていなくても構いません。
国税OBの税理士が、いまの状況をうかがうところからご一緒します。