このたびの地震により被害を受けられた皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。
災害のときは、申告や納付の期限を延ばす仕組み、納税を待ってもらう仕組み、所得税を軽くする仕組みが法律で用意されています。まずは身の安全と生活の立て直しを最優先になさってください。
このページの制度の説明は、国税庁が公表している内容にもとづいて整理しています。
気象庁によると、2026年7月28日16時27分頃に熊本県熊本地方を震源とする地震(マグニチュード7.1)が発生し、宇城市・氷川町で震度7、熊本市・八代市・宇土市・美里町・益城町などで震度6強を観測しました。
ご留意ください
本ページの内容は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の税務判断・法的助言ではありません。
実際の適用可否および税額は、被害の状況・所得・保険金等の状況により異なります。
ご相談の内容につきましては一般的な回答しかできませんことをご留意ください。
どれにも、法律で用意された道があります。ひとつずつ整理していきましょう。
災害など、ご自身の責めに帰さないやむを得ない理由で期限までに申告・納付ができないときは、その理由がやんだ日から2か月以内に限り、期限が延長されます(国税通則法11条)。方法は2つあります。
被害が広い範囲におよんだと認められる場合、国税庁長官が地域と期日を指定して期限を延長します。指定された地域に納税地がある方は、特別な申請をしなくても期限が延長されます。指定の内容は官報に掲載されます。
※ 指定地域内に事業所があっても納税地が指定地域の外にある場合は対象外で、この場合は下の個別指定によることになります。
地域指定がない場合でも、災害その他やむを得ない理由で期限までに申告・納付ができないときは、納税地の所轄税務署長に申請することで、その理由がやんだ日から2か月以内に限り期限が延長されます。申請書の書き方や「理由がやんだ日」の考え方は、ご相談いただければ整理します。
※ 今回の地震について地域指定が行われるかどうかは、本ページ作成時点(2026年7月29日)では公表されていません。最新の情報は国税庁ホームページおよび所轄の税務署でご確認ください。ご不明な場合は当事務所でも確認のうえご案内します。
「払えない」と黙って放置すると延滞税が積み上がります。先に猶予の申請をしておくことが、結果として負担を軽くします。
災害により全積極財産のおおむね20%以上の損失を受けた方は、損失を受けた日以後1年以内に納付すべき一定の国税について、納期限から1年以内の猶予を受けられます。災害がやんだ日から2か月以内の申請が必要です。
災害その他やむを得ない理由で国税を一時に納付できないと認められる場合、申請により猶予を受けられます。期間は原則1年以内、やむを得ない理由があるときは合わせて2年を超えない範囲で延長できます。
同じ災害を理由として、AとB、さらにBの延長を組み合わせることで、最長3年間の猶予が認められる場合があります。担保は、猶予金額100万円以下・期間3か月以内などの場合には不要です。
「雑損控除」と「災害減免法による軽減免除」。どちらか有利な方を選択できます。両方を同時に使うことはできません。
| 雑損控除 | 災害減免法 | |
|---|---|---|
| しくみ | 所得控除(所得から差し引く) | 所得税そのものの軽減・免除 |
| 所得の制限 | なし | その年の所得金額の合計額が1,000万円以下 |
| 損害の程度 | 要件なし | 住宅・家財の損害が時価の2分の1以上 |
| 軽減される額 | (損害金額+災害等関連支出−保険金等)−総所得金額等×10% または(災害関連支出−保険金等)−5万円 の多い方 | 所得500万円以下=全額免除 500万円超〜750万円以下=2分の1 750万円超〜1,000万円以下=4分の1 |
| 引ききれないとき | 翌年以後3年間繰越可 (特定非常災害の指定を受けた災害は5年間) | 繰越しはなし |
※ 損害が大きく、その年の所得だけでは引ききれない場合は、繰越しのある雑損控除が有利になることがあります。一方、所得金額が小さく損害が大きい場合は災害減免法が有利になることもあります。どちらが有利かは試算しないと分かりません。資料をお持ちいただければ、両方で計算してご説明します。
※ 損害金額は、国税庁が示す住宅・家財・車両の損失額の「合理的な計算方法」によって計算することもできます。
事業用の資産の損失は、雑損控除ではなく事業の損益として扱います。
店舗・工場・機械・車両などの事業用固定資産や、商品・原材料などの棚卸資産の損失は、事業所得(個人)や所得金額(法人)の計算上、必要経費・損金として扱われます。取壊しや撤去の費用、原状回復の費用も対象になります。被災前の帳簿価額と、被害の状況を記録に残しておくことが大切です。
欠損金の繰戻しによる還付は、原則として中小企業者等に限られていますが、災害損失欠損金額については、資本金1億円超の法人であっても適用を受けられることとされています。前期に納めた法人税の還付を受けられる可能性があるため、決算を待たずにご相談ください。
住宅・家財の損害が時価の2分の1以上で、その年の合計所得金額の見積額が1,000万円以下の場合、源泉所得税および復興特別所得税の徴収猶予や還付を受けられる場合があります。給与は勤務先を経由して、還付は直接、所轄税務署長へ申請します。
固定資産税・自動車税などの地方税の減免は、各自治体・県税事務所が窓口です。国税のご相談を承りながら、地方税や各種支援制度の窓口もあわせてご案内します。資金繰り・融資のご相談もお受けしています。
「記録が無くなったから、もう申告できない」――そんなことはありません。
預金通帳の入出金、取引先に依頼して再発行してもらう請求書・納品書、仕入先の元帳、レジやクラウド会計に残ったデータ、カード・QR決済の履歴。外側に残った記録をつなぎ合わせれば、事業の姿は相当程度まで復元できます。記帳代行のご案内
大切なのは、被災の状況(写真・罹災証明など)と、どの資料からどう計算したかという復元の経緯を書き残しておくことです。後日の確認で問われるのは、金額そのものよりも「その数字にどうやってたどり着いたか」です。
私は国税で30年、税務調査の現場にいました。記録が失われた事業者の申告を、税務署側がどう見るかも知っています。だからこそ、後から慌てずに済む説明できる形で整えるお手伝いができます。税務調査対応について
被災された直後に、税金のことまで考える余裕はないと思います。ですが、期限の延長も、納税の猶予も、申請の時期が決まっているものがあります。ご自身で調べる負担は、こちらで引き受けます。まだ何も整理できていない状態で構いません。どうか、私にお任せください。

代表税理士 / 元国税調査官
平野 和博税理士登録番号 144578
国税組織で30年にわたり、税務調査の第一線で経験を積んでまいりました。国税局では資料調査課(リョウチョウ)の実査官・主査を、税務署では特別調査班(トクチョウ)の統括官を経験。累計500件を超える調査に携わってきました。
熊本で事務所を構える税理士として、地域の事業者・ご家族が一日も早く日常を取り戻せるよう、税務の面からお手伝いします。顧問契約の有無は問いません。
初回40分の相談は無料です。「何が使えるのか知りたい」だけでもお気軽にどうぞ。
被害の状況と、いま期限が迫っているものを伺います。整理できていなくて構いません。
期限延長・納税の猶予・雑損控除/災害減免法など、当てはまる制度を確認します。
雑損控除と災害減免法など、選択できるものは両方で計算してご説明します。
申請書の作成から提出まで対応します。帳簿の復元が必要な場合もお手伝いします。
資金繰り・融資、設備の入れ替えにともなう税務まで、継続してご相談いただけます。
初回40分のご相談は無料です。ご依頼をいただく場合の料金は、内容をお伺いしたうえでお見積もりします(料金プラン)。
※ 本ページの制度の説明は、国税庁が公表している内容(災害等による期限の延長/納税の猶予/雑損控除/災害減免法/源泉所得税の徴収猶予・還付/欠損金の繰戻しによる還付)にもとづいて、2026年7月29日時点で整理したものです。今回の地震に関する取扱いは今後示される可能性があり、最新の情報は国税庁ホームページ・所轄の税務署でご確認ください。個別の判断は、状況によって異なります。
一日も早く日常が戻りますよう、税務の面からお手伝いします。
顧問契約の有無にかかわらず、お気軽にご相談ください。