「毎年110万円までの贈与なら安心」「賃貸物件を持てば評価が下がる」――よく耳にする相続対策も、令和6年からの生前贈与のルールの変更や、不動産の評価をめぐる見直しで、前提が変わってきています。国税組織で30年、調査する側にいた税理士が、税務署が確認するところを踏まえて、ご家族に合った備え方を一緒に考えます。
初回 40分の相談は無料。「相続税がかかるかどうかも分からない」段階から、ご相談いただけます。
贈与や遺言は、相続が起きてからでは選べません。財産を受け継ぐ前の今だからこそ、比べられることがあります。
対策は、始める前に「税務署からどう見えるか」を確かめておくことが大切です。
熊本国税局が公表している、熊本県の令和6年分の数字です。「うちは関係ない」と決める前に、一度ご覧ください。
| 熊本県・令和6年分の相続税の申告 | 公表されている数字 |
|---|---|
| 亡くなった方(被相続人)の数 | 24,660人前年比 101.6% |
| 相続税の申告書(税額のあるもの)の提出があった被相続人の数 | 1,370人前年比 109.4%。基礎控除額の引下げがあった平成27年分以降で最多 |
| 課税割合(申告書の提出に係る被相続人数÷被相続人数) | 5.6%前年は5.2% |
| 申告書の提出に係る被相続人1人当たりの課税価格 | 1億2,783万円1人当たりの税額は1,519万円 |
| 相続財産の金額の構成比 | 現金・預貯金等 36.2%土地 28.0%/有価証券 17.3%/家屋 5.4%/その他 13.1% |
※ 相続税額のある申告書(修正申告書を除く。令和6年分は令和7年10月31日までに提出されたもの)のデータにもとづく集計です。亡くなった方の数は、人口動態統計(厚生労働省)のデータにもとづきます。課税価格は、相続財産の価額に相続時精算課税適用財産の価額を加え、債務・葬式費用を差し引き、相続開始前3年以内の生前贈与財産の価額を加えたものとされています。
出典:熊本国税局「令和6年分 相続税の申告事績の概要(熊本県版)」(令和7年12月)
| 令和8年分の税務署別 最高路線価(熊本県内の一部) | 1㎡当たり・対前年変動率 |
|---|---|
| 菊池税務署(菊陽町光の森3丁目・県道住吉熊本線) | 205千円+7.9%(令和7年分は+22.6%) |
| 熊本西税務署(熊本市中央区手取本町・下通りアーケード) | 2,140千円+1.9% |
| 熊本東税務署(熊本市東区若葉1丁目・電車通り) | 150千円+3.4% |
※ 各税務署の管内で最も高い地点の路線価で、地域全体の値動きを示すものではありません。路線価は1月1日を評価時点として、地価公示価格等をもとにした価格の80%程度を目途に定められています。
※ 令和8年熊本地震(特定非常災害)では熊本県内全域が特定地域とされ(令和8年8月10日現在)、令和7年9月28日から令和8年12月31日までの間に相続等で(贈与の場合は令和8年1月1日から同日までの間に)取得した県内の土地等は、一定の場合に、令和8年分の路線価等に「調整率」(国税庁が後日公開予定)を乗じて計算した価額をもとに評価できることとされています(国税庁「令和8年熊本地震により被害を受けられた方へ(相続税・贈与税に係る財産評価の概要)」令和8年8月)。菊陽町の相続については菊陽町の相続税・相続対策のページもご覧ください。
出典:熊本国税局「令和8年分の路線価等について」「令和8年分税務署別最高路線価」(令和8年7月)
相続や遺贈などで財産を取得した方は、亡くなった方から「加算対象期間」内に受けた暦年課税の贈与を、相続税の計算に加算します。令和6年1月1日以後の贈与から、この期間が段階的に延びています。
| 亡くなった方の相続開始日 | 加算対象期間 |
|---|---|
| 令和8年12月31日まで | 相続開始前3年以内死亡の日から遡って3年前の日から死亡の日まで |
| 令和9年1月1日〜令和12年12月31日 | 令和6年1月1日から死亡の日まで3年を超えて、少しずつ長くなります |
| 令和13年1月1日以後 | 相続開始前7年以内死亡の日から遡って7年前の日から死亡の日まで |
※ 加算対象期間内の贈与であれば、贈与税がかかったかどうかに関係なく加算します。基礎控除額110万円以下の贈与も加算の対象です。
※ 相続開始の日が令和9年1月2日以後の場合、加算対象期間内の贈与のうち相続開始前3年以内のもの以外については、贈与時の価額の合計額から総額100万円までは加算されません。
出典:国税庁タックスアンサー No.4161「贈与財産の加算と税額控除(暦年課税)」[令和8年4月1日現在法令等]/根拠:相続税法19条
※ 相続時精算課税を選ぶ場合は、最初の贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までに「相続時精算課税選択届出書」を提出します。
出典:国税庁タックスアンサー No.4402(Q&A含む)・No.4408・No.4103・No.4124(いずれも[令和8年4月1日現在法令等])/根拠:相続税法21条の9
表のとおり、暦年課税の贈与は、相続が起きた時期によって相続税の計算に戻される範囲が変わります。「毎年少しずつ」は時間を味方にする方法ですが、始める時期とご年齢によって効き方が違います。どなたに、いつ、いくら贈与するかを、相続税と贈与税の合計で比べてからお決めください。
相続時精算課税は、年110万円の基礎控除の部分が相続のときにも加算されない一方、選んだら戻れず、この制度で贈与を受けた宅地等には小規模宅地等の特例が使えません。暦年課税のままがよい方、精算課税が合う方、それぞれいらっしゃいます。財産の中身と、ご家族の構成を見てから判断します。改正の発表時に書いた記事を読む
相続の対策は、始めるのは簡単でも、やり直しがききにくいものです。贈与した財産は基本的に戻りませんし、相続時精算課税は一度選ぶと暦年課税に戻れません。だからこそ、始める前に一度立ち止まって、税務署からどう見えるのかを確かめておくことが大切だと考えています。私は国税組織で30年、調査する側にいました。その目で、いまの財産と、ご家族が望む受け継ぎ方をうかがい、無理のない備え方を一緒に組み立てます。ご家族の大切な財産のことだからこそ、私にお任せください。

代表税理士 / 元国税調査官
平野 和博税理士登録番号 144578
国税組織で30年にわたり、税務調査の第一線で経験を積んでまいりました。国税局では資料調査課(リョウチョウ)の実査官・主査を、税務署では特別調査班(トクチョウ)の統括官を経験。累計500件を超える調査に携わってきました。
当事務所は相続税申告にも特化し、相続財産研究所という部門を設けています。相続の前のご相談から、相続が起きたあとの申告、申告後の税務調査への対応まで、窓口をひとつにしてご相談いただけます。
初回40分の相談は無料です。ご来所のほか、オンライン・お電話にも対応しています。財産の一覧がなくても、分かる範囲でお話しください。
調査する側にいた経験から、始める前に確かめておきたいところをまとめました。いずれも、事前に確かめておけるものです。
贈与は、あげる側が意思を表示し、もらう側が受諾することで成り立ちます。子や孫が口座の存在を知らない、通帳や印鑑を親が持ち続けている――こうした預金は、名義預金として亡くなった方の財産と判断されることがあります。名義預金の調べられ方を読む根拠:民法549条
毎年その年ごとに贈与契約を結んで贈与するのと、複数年分をまとめて約束しておくのとでは、扱いが変わります。約束した年に、定期金に関する権利の贈与とされる場合があります。年ごとの贈与契約書を残しておくと、後から説明しやすくなります。出典:国税庁タックスアンサー No.4402 Q&A
相続税の評価は「時価」によるとされ、通達の定めで評価することが著しく不適当な財産は、国税庁長官の指示を受けて評価するとされています。居住用マンションは令和6年1月1日以後に相続・遺贈・贈与で取得したものから評価方法が見直され、令和8年度税制改正の大綱では、相続などの時の前5年以内に取得・新築した一定の貸付用不動産などの評価の見直しも示されました。根拠:財産評価基本通達1・6/課評2-74/令和8年度税制改正の大綱
自宅の土地は、相続や遺贈で取得すれば小規模宅地等の特例(330㎡まで80%減額)の対象になり得ます。一方、贈与で取得した宅地等は、暦年課税・相続時精算課税のどちらでも、この特例の対象になりません。先に贈与したほうがよいのか、相続まで持つほうがよいのかは、試算して比べてからお決めください。出典:国税庁タックスアンサー No.4124
配偶者が実際に取得した正味の遺産額が、1億6千万円か法定相続分相当額のどちらか多い金額までは、配偶者に相続税はかかりません。ただ、その財産は次の相続でお子さんが受け継ぎます。一次相続の税額だけで分け方を決めると、二次相続で負担が重くなることがあります。出典:国税庁タックスアンサー No.4158
遺言でお孫さんに財産を遺したり、お孫さんを養子にしたりした場合、財産を取得したお孫さんは、代襲相続人となる場合を除き、相続税額の2割加算の対象になります。また、基礎控除の計算で「法定相続人の数」に数える養子は、原則として実子がいる場合は1人、いない場合は2人までです。出典:国税庁タックスアンサー No.4157/根拠:相続税法15条
| 令和8年度税制改正の大綱で示された評価の見直し | 内容 |
|---|---|
| 亡くなった方などが、課税時期前5年以内に対価を伴う取引により取得または新築した一定の貸付用不動産 | 通常の取引価額に相当する金額で評価課税上の弊害がない限り、取得価額を基に地価の変動等を考慮して計算した価額の80%で評価できる |
| 不動産特定共同事業契約などに基づく権利の目的となっている貸付用不動産(いわゆる小口化商品など) | 取得の時期にかかわらず、通常の取引価額に相当する金額で評価 |
| 適用の時期 | 令和9年1月1日以後に相続等により取得する財産経過措置として、改正を通達に定める日までに、同日の5年前から所有する土地に新築した家屋(建築中を含む)には、上段の見直しは適用しない |
※ 大綱の記載を要約したものです。具体的な評価のしかたは、財産評価基本通達の改正によって定められます。実際の判断は、その内容を確認したうえでご説明します。
出典:財務省「令和8年度税制改正の大綱」(令和7年12月26日閣議決定)二 資産課税/国税庁「居住用の区分所有財産の評価について(法令解釈通達)」(課評2-74・令和5年9月28日)
路線価や評価倍率で評価すると、いくらになるのか。小規模宅地等の特例が使えるかも含めて試算します。
令和6年以後の贈与から、加算される期間が段階的に延びています。いまの贈与の続け方でよいかを確認します。
選ぶと戻れない制度です。暦年課税のままの場合と、相続税・贈与税の合計で比べてからお決めください。
評価の見直しの対象になり得るかどうかを含め、相続税の評価と税額の面からご説明します。
子や孫の名義の口座を、どう整えておくか。つくった経緯と管理の状況をうかがって整理します。
誰がどの財産を受け継ぐかで、使える特例と税額が変わります。遺言の内容を相続税の面から検討します。
※ 熊本市内全域はもちろん、熊本県内・周辺市町村まで対応しています。遠方の方には、オンライン相談にも対応しています。
ご相談の前に確認しておきたい3点を、根拠とあわせてまとめました。
遺産に係る基礎控除額は3,000万円+600万円×法定相続人の数です。養子は、原則として実子がいる場合は1人、いない場合は2人までが「法定相続人の数」に数えられます。出典:国税庁タックスアンサー No.4152/根拠:相続税法15条
相続税は、亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です。贈与税は、申告が必要な場合、贈与を受けた年の翌年の2月1日から3月15日までに、贈与を受けた方が申告と納税をします。令和8年熊本地震で被災された方などは、期限が延長される場合があります(国税庁「令和8年熊本地震に関するお知らせ」)。出典:国税庁タックスアンサー No.4205/No.4429
亡くなった方が保険料を負担していた死亡保険金を相続人が受け取った場合、500万円×法定相続人の数の非課税限度額までは相続税がかかりません。相続人以外の方が受け取った場合、この非課税の適用はありません。出典:国税庁タックスアンサー No.4114
※ 令和8年9月時点で確認した法令等にもとづく内容です。制度は改正されることがあり、適用の可否はお一人ずつ状況が異なります。実際のご判断は個別にご相談ください。
相続の前・最中・あとの、それぞれの場面でお読みいただけます。
相続の前のご相談でも、調査する側にいた経験をそのまま生かします。
財産の概況をうかがい、課税の有無と概算額を確認します。「かからない」と分かれば、それも大切な結論です。
暦年課税と相続時精算課税、贈与する相手と時期。贈与税と相続税の合計で比べて、ご家族に合う組み立てを考えます。
贈与契約書の残し方、振込の記録、通帳の管理のしかた。調査で確認されやすいところを、始める前に一緒に確認します。
一次相続と二次相続を通した税額を比べ、税額の面から見た分け方をシミュレーションでご提案します(遺産分割そのものの交渉・調停は取り扱っておりません)。
相続税の申告、申告後の税務調査への対応まで、当事務所でお受けできます。対策の経緯を知っている事務所が、そのまま申告を担当します。
ご相談の内容を外部にお伝えすることはありません。遠方のご家族も、オンラインで一緒にご相談いただけます。
ご家族の構成と財産の概況をうかがい、相続税がかかるかをシミュレーションします。オンライン・お電話でも可能です。
検討の範囲をご相談のうえ、費用をご提示します(お見積もりは無料です)。ご納得いただいてからのご契約です。
土地・預貯金・保険などを確認して評価し、いま相続が起きた場合の税額を試算します。
贈与の方法や分け方ごとの税額を比べ、進め方をご一緒に決めます。無理な勧誘はいたしません。
贈与税の申告や相続時精算課税選択届出書の提出、相続が起きたあとの申告までお手伝いします。
主な料金は以下のとおり(税別)。初回相談・お見積もりは無料です。
| サービス | 料金(税別) |
|---|---|
| 生前の相続対策・遺言相談 | 応相談無料相談あり |
| 贈与税申告書作成(基本料金) | 20,000円〜内容により加算 |
| 相続時精算課税・教育資金・住宅資金の贈与等(加算額) | 20,000円〜 |
| 税務相談・申告相談 | 5,000円〜 |
| 相続税申告(10万×人数+(相続財産×0.5%)) | 300,000円〜 |
※ 初回40分のご相談は無料です。相続税申告の基本報酬は、相続人お一人につき10万円+遺産総額の0.5%で計算します。土地・非上場株式の評価は別途お見積もりとなります。申告期限が間近に迫っている場合は、時間外対応として割増報酬が発生する場合があります。詳しくは料金プランをご覧ください。
財産の一覧がそろっていなくても構いません。
国税OBの税理士が、いまの状況をうかがうところからご一緒します。