YouTuberが経費で落とせる意外なもの10選【国税OB税理士が調査経験から解説】

YouTuberが経費で落とせる意外なもの10選
【国税OB税理士が調査経験から解説】

「この経費、本当に落としていいの?」元調査官がその疑問に答えます


「YouTuberとして活動しているけど、どこまでが経費として認められるのか分からない・・・」
このような疑問をお持ちの方は多いのではないでしょうか。

私は国税に30年間勤務し、国税局(資料調査課)及び税務署で約500件以上の税務調査を経験してきた税理士です。
ですから調査官時代には個人事業主の方々の経費について、数多くの判断を行ってきました。

今回は元調査官だからこそ分かる、「YouTuberが意外と経費にできるもの」を、税務署の判断基準とともに徹底解説します。

税務調査で指摘されないためのポイントも併せてお伝えしますので、ぜひ最後までお読みください。


目次

  1. YouTuberの経費、基本的な考え方
  2. 意外と経費になる10項目【税務署の判断基準】
  3. 逆に経費にできないもの(要注意)
  4. 税務調査で指摘されないための記録方法
  5. 経費で節税できる金額のシミュレーション
  6. まとめ

1. YouTuberの経費、基本的な考え方

必要経費とは「事業に必要な支出」

所得税法では、必要経費とは「収入を得るために直接必要な費用」と定義されています。

YouTuberの場合、以下が経費の判断基準となります。

✅ 動画制作・配信に直接関連する費用
✅ 収益を上げるために必要な支出
✅ プライベートと明確に区別できる

税務署が重視する「合理性」

私が調査官時代に重視していたのは、「その経費に合理的な説明があるか」という点です。

例えば:

  • ゲーム実況者がゲームを購入 → ✅ 合理的
  • 料理系YouTuberが食材を購入 → ✅ 合理的
  • ビジネス系YouTuberがゲームを購入 → ❌ 関連性が薄い

つまり、「動画内容との整合性」が最も重要なのです。


2. 意外と経費になる10項目【税務署の判断基準】

それでは、私が調査官時代に見てきた事例や、税務署の判断基準をもとに、YouTuberが経費計上できる項目をご紹介します。


① ゲーム購入費(ゲーム実況の場合)

【税務署の判断基準】
ゲーム実況を行っているYouTuberであれば、ゲームソフトの購入費は経費として認められます。

【認められる条件】

  • 購入したゲームを実際にプレイした動画が投稿されている
  • 月に何本購入しているかが、動画投稿本数と見合っている
  • Steam、PlayStation Store等のデジタル購入でも、購入履歴があれば問題なし

【調査官の視点】
調査時には「このゲームを使った動画はどれですか?」と確認します。購入したゲームと投稿動画の対応が取れていれば、問題なく経費として認められます。

【注意点】
プライベートでも遊べるゲームのため、購入本数が動画本数に比べて極端に多いと、私的利用を疑われます。


② 自宅の一部(撮影スペース・作業部屋)

【税務署の判断基準】
自宅で撮影・編集を行っている場合、家賃の一部を経費化できます。

【認められる条件】

  • 専用の撮影・編集スペースがある
  • 面積比または使用時間で合理的に按分している
  • 賃貸契約書や間取り図で説明できる

【調査官の視点】
「本当に事業専用なのか?」を確認するため、実際の使用状況を聞きます。1部屋を完全に撮影・編集専用にしている場合は、その部屋の面積比で按分が認められます。

【按分の目安】

  • 1部屋を完全に専用使用:その部屋の面積比(例:30㎡/100㎡=30%)
  • 兼用の場合:使用時間での按分(例:1日8時間使用=33%程度)

【関連経費】
家賃だけでなく、水道光熱費・インターネット代も同じ比率で按分可能です。


③ コラボ相手との飲食代

【税務署の判断基準】
動画の企画・打ち合わせを目的とした飲食であれば、交際費として経費になります。

【認められる条件】

  • 誰と・何のために会食したかが明確
  • 後日、実際にコラボ動画が投稿されている
  • 領収書に相手の名前や目的をメモしている

【調査官の視点】
「ただの友達との飲み会では?」と疑われやすい項目です。そのため、「誰と・何のために・いつ動画化したか」の記録が重要になります。

実際の調査では、領収書を見ながら「この日の食事は誰とですか?」「どんな打ち合わせでしたか?」と確認します。

【注意点】
プライベートな飲食との区別が曖昧だと、否認されるケースがあります。


④ 美容院代・衣装代(顔出しチャンネル)

【税務署の判断基準】
顔出しで活動しているYouTuberの場合、美容院代や衣装代の一部が経費として認められることがあります。

【認められる条件】

  • 顔出しチャンネルで、外見が視聴者数に影響する
  • 美容院代は「視聴者向けの外見維持」という理由で、一部(30~50%程度)
  • 衣装は「動画撮影専用」であることが条件(普段着として使えるものは難しい)

【調査官の視点】
美容院代の全額経費化は認められにくいですが、「視聴者数・再生回数に外見が影響する職業である」という合理的な説明があれば、一部は認められます。

実際の調査では、「この衣装はどの動画で着用していますか?」と確認します。

【注意点】
一般的な服や、普段着としても使えるものは経費になりません。


⑤ 旅行系動画の旅費交通費

【税務署の判断基準】
動画撮影を目的とした旅行であれば、旅費交通費として経費になります。

【認められる条件】

  • 旅行前に企画書がある(どこで・何を撮影・何本投稿予定)
  • 旅行後に実際に動画を投稿している
  • 収益目的であることが証明できる(再生回数・広告収入等)

【調査官の視点】
「ただの家族旅行では?」と疑われやすい項目です。実際の調査では、「この旅行で何本動画を作りましたか?」「収益はどのくらいですか?」と確認します。

プライベート要素が多い場合は、按分(50~80%程度)を求められることがあります。

【注意点】
旅行先で1本だけ動画を撮影して、あとは観光、という場合は全額経費化は難しいです。


⑥ ネタ収集のための書籍・サブスクリプション

【税務署の判断基準】
動画のネタ収集や勉強のための書籍・サブスクは経費になります。

【認められる条件】

  • 購入した書籍と、動画テーマの関連性がある
  • Netflix、Amazon Prime等のエンタメ系サブスクは、「動画内で言及している」「レビュー動画を投稿している」などの証拠がある

【調査官の視点】
ビジネス書、専門書であれば問題なく認められます。エンタメ系サブスクは、「どのように業務に使っているか」の説明が必要です。

【認められる例】

  • Kindle Unlimited、Audible
  • ビジネス書・専門書
  • 動画編集ソフトのサブスク(Adobe Creative Cloud等)
  • 映画・ドラマのレビュー動画を投稿している場合のNetflix等

⑦ 撮影機材の保険料

【税務署の判断基準】
事業用資産(カメラ、PC、照明等)の保全のための保険料は経費です。

【認められる条件】

  • 保険契約書に「事業用機材」と明記されている
  • 火災保険・地震保険も、事業用スペース分は按分可能

【調査官の視点】
プライベート兼用の機材は按分が必要ですが、「YouTuber専用機材」であれば全額経費化が可能です。


⑧ 外注費(編集・サムネイル制作・字幕作成)

【税務署の判断基準】
動画編集やサムネイル制作を外注している場合、外注費として経費になります。

【認められる条件】

  • 外注先との契約書(または発注メール)がある
  • 請求書・納品物(完成動画・サムネイル)がある
  • 振込明細が残っている

【調査官の視点】
外注費は「給与」と誤認されやすいため、「業務委託契約」であることを明確にする必要があります。

実際の調査では、「この外注先は従業員ではありませんか?」と確認します。契約書があれば問題ありません。


⑨ インターネット回線費・スマホ代

【税務署の判断基準】
動画アップロード・配信に必須のため、業務利用割合で按分すれば経費になります。

【認められる条件】

  • 業務利用割合(50~100%)で按分している
  • 「配信専用回線」であれば100%経費化も可能
  • スマホはプライベート兼用のため、50%程度が安全圏

【調査官の視点】
「なぜこの割合なのか?」を説明できることが重要です。使用時間の記録があると理想的です。


⑩ 撮影用の小道具・消耗品

【税務署の判断基準】
動画内で使用する小道具や消耗品は経費になります。

【認められる条件】

  • 動画内で使用している証拠(動画URL・撮影日)がある
  • レシートに「○月△日の動画用」とメモしている

【調査官の視点】
料理系YouTuberの食材費は、「自分も食べている」ため、全額経費化は難しいケースもあります。ただし、調理過程が動画の主目的であれば認められます。

実際の調査では、「この食材を使った動画はどれですか?」と確認します。

【認められる例】

  • 100均グッズ
  • 料理動画の食材
  • 実験動画の材料
  • DIY動画の工具・資材

3. 逆に経費にできないもの(要注意)

以下は、経費として認められにくい項目です。

❌ 動画と無関係な飲食代
→ 友人との私的な食事は経費になりません

❌ 家族旅行(動画撮影が目的でない)
→ 「ついでに撮影した」程度では認められません

❌ 過度な衣服費(日常着として使えるもの)
→ 普段着兼用の服は経費にできません

❌ プライベート用のゲーム・書籍
→ 動画化していないものは不可

❌ 家族への給与(実態がない場合)
→ 実際に業務を手伝っていない家族への給与は否認されます


4. 税務調査で指摘されないための記録方法

元調査官として、税務調査で指摘を受けないための3つの鉄則をお伝えします。

✅ 鉄則① レシート・領収書に「動画タイトル」をメモ

経費を使ったら、その場でレシート裏に以下を記入:

  • 「○月△日投稿の××動画用」
  • 「コラボ相手:○○さん」
  • 「撮影場所:△△」

✅ 鉄則② Excelで「経費管理表」を作成

日付内容金額関連動画URL備考
2026/2/10ゲーム購入8,000円https://youtu.be/xxxxx実況動画で使用
2026/2/15美容院8,000円月1回の撮影用メンテナンス

このような表を作っておくと、税務調査時に説明がスムーズです。

✅ 鉄則③ 経費率が70%を超えないよう注意

売上に対する経費の割合が高すぎると、税務署の目に留まります。

【目安】

  • ゲーム実況・エンタメ系:経費率50~60%
  • ビジネス系・教育系:経費率30~40%
  • 旅行系・Vlog系:経費率60~70%

経費率が同業者平均より大幅に高い場合、合理的な説明を準備しておきましょう。


5. 経費で節税できる金額のシミュレーション

具体例で節税効果を見てみましょう。

【ケース】YouTuber(年収1,000万円)

経費を適切に計上しない場合:

  • 売上:1,000万円
  • 経費:200万円(最低限のみ)
  • 所得:800万円
  • 所得税・住民税:約176万円

経費を適切に計上した場合:

  • 売上:1,000万円
  • 経費:500万円(上記10項目を含む)
    • ゲーム・機材:80万円
    • 家賃按分:36万円
    • 外注費:84万円
    • 通信費・光熱費:15万円
    • 交際費・旅費:100万円
    • その他消耗品等:185万円
  • 所得:500万円
  • 所得税・住民税:約73万円

節税額:103万円

このように、適切な経費計上で年間100万円以上の節税が可能になります。


6. まとめ

YouTuberの経費は、「動画制作との関連性」が全てです。

グレーゾーンと思われる項目でも、合理的な説明と証拠があれば、税務調査でも認められます。

【今回のポイント】

✅ 意外と経費になるもの10項目を活用
✅ レシートに動画情報をメモする習慣
✅ 経費管理表で証拠を残す
✅ 経費率が高すぎないか確認

「この経費は大丈夫かな?」と不安な方は、エンタメ業界に詳しい税理士に相談することをお勧めします。


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【プロフィール】
平野和博税理士
国税30年勤務(資料調査課経験、累計調査件数500件超)
税理士開業6年目
「仁王像のごとく経営者をお守りする」がモットー
エンタメ業界をはじめ、税務調査対策、相続、資金調達を得意としています