違和感を大切に

 熊本市中央区坪井の仁王さん通りにある税理士事務所(仁王さん通り税務会計)の平野和博税理士です。

 今週は藤崎宮の秋の例大祭が始まり、先日は獅子舞が奉納されました。
 週末は飾卸や隨兵行列など、お祭りのクライマックス(賛否ありますが)を迎えてまいりますが、台風14号の接近が心配されているようです。
 数年ぶりのお祭りですから、無事に何事もなく奉納することができるといいですね。

 さて、皆様、「違和感」感じてますか。
 私が現職時代、税務調査において一番大切にしていたことが「違和感」なんです。

 税務調査は、現場に赴き、事業概況を聴取して帳簿調査に移行していくという流れで進んでいくのですが、基本的に初めて現場に入る(内偵調査している場合もありますが)ため、視覚的に入ってくるものが最初の情報になるわけです。

 「屋号(金融機関名等)の記載があるカレンダー」、「現場名担当者のスケジュールを記載したホワイトボード」、「趣味に関する道具(ゴルフ、釣り等)」等が代表的なものですね。
 そして、その情報を踏まえたうえで調査を進めていくと「違和感」を感じることが必ず出てきます。

 やがてその「違和感」の積み重ねが「疑問点」へと変化していき、最終的に不正行為の端緒に繋がっていく訳ですから、いかに「違和感」が大切かということを理解していただけるかと思います。

 今日は、その違和感を基に気が付いたことについて少し書いてみようと思います。

 先日の20時過ぎ、弊社のドアを叩く音が聞こえました。
 ドアを開けると近くに住むというお婆ちゃんが「助けてほしい」と話をするため、詳しく話を伺うと・・・

 「電気が付かなくて困っている」、「助けてもらおうとコンビニに行こうとしたが、歩けないので、ここに来た」、「電気屋さんに電話していたが、電話の充電が切れてしまった」、「代わりに電気屋さんに電話をしてほしい」・・・
というお話をされました。

 聞いたお話をまとめると、「ブレーカーが落ちたが、自分では対処でいない」ということでしたので、ご自宅にお邪魔してブレーカーのスイッチを上げる作業を行ったわけですが、ここで違和感が登場するわけです。

 違和感その① 玄関に靴が無い
 色々な現場にお邪魔した経験上、玄関のたたきに靴が一足も出ていない場所に案内されたことはほぼありません。
 来客等の予定があれば想定しうるのですが、突然の訪問でこの状況は違和感でした。

 違和感その② 部屋の温度が高く、料理の匂いもしない
 ブレーカーが落ちたということであったため、クーラーと炊飯器の組み合わせや、クーラーとホットプレート等の使用を考えていたのですが、どれも使用しているようではありませんでした。
 何でブレーカーが落ちたんだろうという違和感ですね。

 違和感その③ 電気が復旧しても灯がつかない
 廊下の突き当りに台所があり、そこにブレーカーがあるとのことでしたので、ブレーカーの場所を確認し、ブレーカーのスイッチを上げたわけですが、どこの電気もつきません。
 すぐそばに廊下の電気のスイッチがあったため、そのスイッチをいれると電球が光りましたので、ブレーカーが落ちた後、全てのスイッチを切ったのかな?という違和感ですね。

 とりあえずその他にも色々な「違和感」を感じることはできましたが、まるで現職時代に戻ったような経験でした(20時以降の調査着手は数えるほどしかありませんけどね)。

 まあ、これらの違和感が疑問点に変わることはありませんでしたが、今回の出来事で気が付いたことがありました。
 それは、『ブレーカー等のスイッチが高すぎる』ことと、『困ったときの連絡先の確保が必要である』ということです。

 私の親もそうですが、年を取ると手が届かない場所が増えてきます。
 ブレーカーには手は届きませんし、倒れたら電気のスイッチにも届きません。

 そんな時に助けてくれる連絡先を確保できていれば緊急事態も回避することができるのでしょうが、独居老人が増えていく世の中で誰が対応できるのでしょうか。
 安価で年金の中からでも支払えて、緊急事態に対応できるようなシステムを増やしていかないと、健康寿命というのは短くなっていくのではないかと思ってしまいました。

 原油価格・物価高騰や円安で事業にダメージを受ける方が多い中で安価なサービスを提供するのは難しいかもしれませんが、こういったところに市町村が補助を出せると安心安全な暮らしがしやすくなるかもしれませんね(校区の市議会議員さんに提案することにします)。

 ということで、税金に関するお悩みや資金調達に関するお悩みがございましたら、是非、仁王さん通り税務会計へご連絡ください。
 高齢者に優しい税理士が、親切丁寧に対応させていただきます。
 なお、初回のご相談は無料にて対応させていただきますので、お気軽にご連絡ください。